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サプライヤとは?ベンダーやプロバイダーとの違いや4つの選定基準を解説

  • 購買のイロハ

公開日:

企業活動において、サプライヤの選定と管理は成功のカギを握る重要な要素です。
適切なサプライヤとの関係構築は、コスト削減や品質向上、イノベーション促進など、多くのメリットをもたらします。しかし、サプライヤの概念は他の類似用語と混同されやすく、選定基準や管理方法も複雑です。

本記事では、サプライヤの定義を明確にし、ベンダーやメーカーなどの似ている用語との違いを解説します。さらに、サプライヤを選定する際の4つの基準と、効果的に管理するための考え方を3つ紹介します。サプライヤの定義が曖昧になっている方や、管理方法を模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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サプライヤの意味とは?

サプライヤとは、企業活動に必要な原材料や部品、サービスなどを提供する「売り手」を指します。英語の「supply(供給する)」を語源とし、日本語では「仕入れ先」「納入業者」「供給元」などが当てはまります。

サプライヤの主な特徴は、以下の通りです。

  • 企業の生産・販売活動を支える
  • サプライチェーンの出発点に位置する
  • 物品だけでなく、サービスを提供する業者も含まれる
  • 業界によって具体的な形態が異なる

たとえば、製造業では原材料や部品のメーカー、小売業では商品の仕入れ先のメーカーや卸問屋などが該当します。
工場で使用する工具や、オフィスで使用する文具・日用品などの間接材を販売する業者も、サプライヤと表現されることが多い印象です。
IT業界では、ソフトウェアやハードウェアの開発・提供を行う企業もサプライヤとして扱われることがあります。
サプライヤは、企業の競争力に直結する重要な役割を果たします。適切なサプライヤ選定・管理で、調達コストの削減や安定供給の確保、新技術の導入が可能になり、高品質な製品やサービスの提供につながるでしょう。

以下の記事では、購買業務のフローを図解とともに詳しく解説しています。自社の購買業務プロセスを見直そうと考えている方は、参考にしてみてください。

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サプライヤと似ている用語との違い

サプライヤと似た用語には、以下の5つがあります。

似ている用語との違いを正しく理解し、サプライヤの定義を明確にしましょう。

サプライヤとベンダーの違い

サプライヤとベンダーの主な違いは、取引の対象と販売方法です。サプライヤは主に企業間で取引を行い、原材料や部品を他の企業に供給します。製造過程における供給源として機能し、役割は主に製品開発や生産のサポートです。
一方、ベンダーは完成品を最終消費者に直接販売することが多く、小売業者や個人との取引が中心です。製品の販売や流通に特化し、マーケティングや顧客サービスにも注力します。たとえば、街中のアパレルショップや本屋、雑貨店なども小売ベンダーの一種です。
IT業界では、ソフトウェアやハードウェアの開発から販売まで一貫してベンダーが行うケースもあるなど、業界によって多少定義が異なります。

サプライヤとメーカーの違い

サプライヤとメーカーの主な違いは、製品の製造範囲と市場での位置づけです。サプライヤは原材料や部品を供給する役割を担い、他の企業の製造プロセスをサポートします。製造チェーンの一部を担当し、最終製品の完成には直接関与しません。たとえば、自動車産業ではタイヤやエンジン部品を提供する企業がサプライヤに該当します。
一方で、メーカーは製品の設計・開発・製造を一貫して行い、最終製品を市場に提供します。自社ブランドで製品を販売することが一般的で、消費者に直接認知される存在です。
大手サプライヤの中にはメーカーとしての機能をもつ企業もあり、両者の役割が重複するケースも増えています。

サプライヤと下請けの違い

サプライヤと下請けの主な違いは、取引関係の性質と独立性です。サプライヤは比較的独立した立場で、複数の取引先と取引を行い、自社の製品やサービスを提供します。自社の技術や製品を活かして、取引先を選択する自由度の高い点が特徴です。
一方で、下請けは特定の親会社や元請け会社から仕事を請け負う場合が多く、より従属的な関係にあります。親会社の指示や要求に応じて業務を遂行する傾向にあり、親会社の仕様に基づいた生産を行います。下請け会社は、建設業界や自動車業界、IT業界に多い傾向です。

サプライヤとディストリビューターの違い

サプライヤとディストリビューターの主な違いは、サプライチェーンにおける位置づけと役割です。サプライヤは、製品や原材料を製造または供給する側にあり、主にメーカーや他の企業と取引を行います。
一方でディストリビューターは、サプライヤやメーカーから製品を仕入れ、小売業者や消費者に販売する中間業者としての役割を果たします。物流・在庫管理・マーケティングなどを担当し、製品流通の効率化が目的です。サプライヤが製品の供給に特化しているのに対し、ディストリビューターは市場への製品の流出や販売促進に重点を置いています。
ITやアパレルなど、業界や取引形態によってはサプライヤがディストリビューターの役割を兼ねる場合もあります。

サプライヤとプロバイダーの違い

サプライヤとプロバイダーの主な違いは、提供するものの性質と対象です。サプライヤは、主に物理的な商品や原材料を他の企業に供給します。製品やコンポーネントの供給に特化し、プロバイダーがサービスを提供するための基盤を支えます。
一方で、プロバイダーは主にサービスや無形の価値を提供し、対象は消費者や企業ユーザーです。サービスの提供と運用に焦点を当て、顧客との直接的な関係を構築します。
たとえば、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の場合、インターネット接続サービスを提供するのがプロバイダーで、そのためのインフラや機器を供給する企業がサプライヤです。

サプライヤ選定4つの基準

サプライヤの選定には、以下の4つの基準があります。

  • 品揃え
  • コスト競争力
  • 調達能力と安定性
  • 信頼性と実績

選定時の参考にして、適切なサプライヤとの取引を目指しましょう。

品質・品揃え

直接材の場合、サプライヤが提供する商品が最終製品に直接影響するため、品質は重要な要素となります。評価の際は、品質マネジメントシステムに関する国際規格「ISO9001」の取得状況や、品質管理体制の厳密さを確認するとよいでしょう。
また間接材の場合、商品は文具・日用品から工具・理化学機器まで幅広く、サプライヤの数が膨れ上がりやすい傾向にあります。できるだけ品揃えの幅が広いサプライヤを選定し、サプライヤ管理の工数を抑えましょう。

コスト競争力

コスト競争力は、サプライヤ選定において重要な評価基準のひとつです。価格の安さだけではなく、品質やサービス面も考慮しながら総合的に評価する必要があります。コストを重視するあまり品質や納期が犠牲にならないよう、全体のバランスを考慮して検討しましょう。
また、コストダウンの実行力や、生産性向上力も評価の対象となります。サプライヤの製造プロセスの効率性や、継続的な改善活動への取り組みを確認することで、将来的なコスト削減の可能性を判断できるためです。長期的な視点に立ち、価格と品質のバランスが取れているかを見極めることが重要です。適切なコスト競争力のサプライヤを選定することで、自社の競争力向上にもつながります。

以下の記事では、購買業務のコスト削減と効率アップの方法について、3社の改善事例を交えながら解説しています。自社の現状と照らし合わせ、購買業務の改善余地があるか確認してみましょう。

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供給能力と安定性

サプライヤの供給能力と安定性は、自社の生産スケジュールの維持と市場ニーズへの迅速な対応に直結します。評価の際は、サプライヤの生産能力・在庫管理体制・物流体制などを確認しましょう。需要の変動や、サプライチェーンの混乱に対応できる柔軟性も重要な要素です。供給のリスク管理についても、取り組みの内容を事前に把握しておく必要があります。
サプライヤからの安定的な供給を確保することで、生産スケジュールが安定して無駄な生産停止や休止を防げます。市場の需要変動に迅速に対応できるサプライヤを選定し、自社の競争力の維持・向上につなげましょう。

信頼性と実績

サプライヤの信頼性と実績は、長期的なパートナーシップを築く上で重要な要素です。過去の取引実績や顧客評価に加え、サプライヤの財務状況や企業の持続可能性も考慮しましょう。納期遵守率や長期的な取引継続性も重要な指標となります。
さらに、品質管理システムの導入状況や、業界標準の認証取得状況も確認しておきましょう。たとえば、ISO 9001(品質マネジメントシステム)や、ISO 14001(環境マネジメントシステム)の取得は、サプライヤの信頼性を示す指標となります。また、同業他社からの推薦や、口コミも大きな判断材料になります。

サプライヤ管理に必要な3つの考え方

サプライヤ管理に必要な考え方は、以下の3つです。

  • 透明性と信頼関係の構築
  • 継続的な評価と改善プロセスの確立
  • 間接材サプライヤの管理も必要

購買管理のプロセスに落とし込み、サプライヤとの関係構築にお役立てください。

透明性と信頼関係の構築

サプライヤとの信頼関係の構築は、効果的なサプライヤ管理の基盤となります。
信頼を構築するためには、オープンなコミュニケーションや情報共有、相互理解が不可欠です。定期的なミーティングや進捗報告を通じて、双方向の対話を促進し、期待事項や課題を明確に伝え合うようにしましょう。
また、特定サプライヤとの癒着や不正取引などのリスクを回避するためにも、取引を可視化することが重要です。契約条件や価格設定の透明性を確保して、公平な取引関係を築くことで、長期的な信頼関係を築けるでしょう。透明性と信頼関係は、問題発生時の迅速な対応やイノベーションの共同推進にも寄与し、競争力の向上につながります。

継続的な評価と改善プロセスの確立

サプライヤの継続的な評価と改善プロセスの確立は、サプライヤ管理の要となります。
品質・納期・コスト・技術力・協力度などの多面的な指標を用いて、定期的にサプライヤのパフォーマンスを評価しましょう。評価結果はサプライヤにフィードバックし、改善点を明確に伝えることが大切です。
また、サプライヤとともに改善計画を策定し、進捗状況を定期的に確認することで、継続的な改善を促進します。
サプライヤのパフォーマンス向上だけでなく、自社の調達戦略の最適化にもつながり、サプライチェーン全体の競争力強化に寄与するでしょう。

間接材サプライヤの管理も必要

間接材は、オフィス用品・家電・工具など多種多様な品目を含むため、多数のサプライヤとの取引が発生します。複数の拠点をもつ企業の場合、拠点ごとにサプライヤが分散していることも多く、さらに数が膨れ上がります。適切な管理が必要にもかかわらず、優先度の低さやその煩雑さから、管理が不足している企業は少なくありません
サプライヤ管理の難しさによって、適切なサプライヤから適切な価格で購買できず、余分なコストが発生しているおそれもあります。

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取引するサプライヤの数が増えるほど、管理が複雑化して多くの時間と労力を要するようになります。とくに間接材購買では、多種多様な品目を扱う多数のサプライヤとの取引が発生するため、効率的な管理が課題となっています。
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  • 豊富なサプライヤとの連携が可能
  • 購買にかかるコストや工数を削減可能

複雑になりやすいサプライヤの管理を効率化して、購買業務にかかる手間を削減しましょう。
以下の記事では、購買管理システムについて、種類や主要機能について詳しく解説しています。

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豊富なサプライヤとの連携が可能

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