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MRO調達とは?4つの管理課題と適正化するための3ステップを解説

  • 購買のイロハ

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MRO調達は、企業の経営に欠かせない間接材の調達のことを指します。間接材の効率的な管理は企業のコスト削減と生産性向上に直結します。しかし、多岐にわたる品目や複雑な購買プロセスなど、MRO調達には特有の課題がある点に注意が必要です。

本記事では、MRO調達が抱える管理上の課題や適正化のための取り組み、購買管理システムの導入メリットを解説します。MRO調達におけるコスト削減や業務効率の向上を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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MRO調達とは|間接材購買との関係

MRO調達とは、企業の業務を円滑に進めるために必要な間接材(副資材)を調達する手段です。MROは「Maintenance(保守)、Repair(修理)、Operations(運用)」の略で、工具、事務用品、清掃用品などが含まれます。

MROは間接材の一部であり、とくに製造業において占める割合は少なくありません。なかにはMROに分類されない間接材もあり、採用、宣伝広告、マーケティングなどが該当します。
間接材は直接材と違って管理が行き届きにくく、調達や在庫管理の難しさが特徴です。とくにMROは、適切な管理を行うことで、企業のコスト削減や業務効率化に大きく貢献する可能性があります。
以下では、MROを含む間接材の特徴と、管理を適性化する方法について解説しています。MRO調達に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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MROの種類

MROの種類は、主に以下の4つに分類されます。それぞれの特徴も合わせて確認していきましょう。

MROの種類 特徴
施設用
  • 施設の維持管理に必要な資材や作業
  • 屋根、外壁、ドア、窓、駐車場、照明、給排水設備などの保守・修理
  • 造園や害虫駆除なども含む
産業用
  • 生産設備の維持・修理に必要な資材や作業
  • 機械部品、電気部品、軽作業・空圧部品など

マテハン

  • 物流・運搬にかかわる設備維持の管理に必要な資材や作業
  • フォークリフト、台車などの保守・修理
工具・消耗品
  • 日常的に使用する工具や消耗品
  • 作業用工具、測定器具、作業服、安全靴、手袋など

MROの種類による重要度は企業の業種や規模によって異なりますが、適切な管理は企業活動のうえで必須の要素です。業務効率やコスト削減につながるため、MROの特性に合わせて効果的な購買戦略を立てましょう。

MRO調達が抱える4つの管理課題

MRO調達を管理するうえで、以下の4つの課題があります。

  • 取り扱う品目や数が多い
  • 購買プロセスが標準化されていない
  • サプライヤの管理が複雑になりやすい
  • コンプライアンス違反が起きやすい

MRO調達の特徴を正しく理解し、自社の状況と照らし合わせてみましょう。
購買管理を適切に行うために大切なポイントは、以下の記事で紹介しています。購買管理の効率化に課題を感じている方は、一度チェックしてみてください。

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また、MRO調達に購買管理システムを導入した場合「社内に浸透しない」「取り扱う購買特性に合わなかった」といった失敗が起きるおそれがあります。購買管理システムを活用したMRO調達を検討している方は、以下の資料で失敗事例をあらかじめ把握し、対策を講じておくとより安心できます。

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取り扱う品目や数が多い

MRO調達の品目は、工具、事務用品、清掃用品など多種多様です。 MROは「ロングテール品」と呼ばれる購入頻度は少ないものの、購入品目数としては全体のうち多くを占める商品が多いのも特徴です。
工具だけを見ても、ドライバーやレンチ、ペンチなど、さまざまな種類や大きさがあり、用途に応じて選択する必要があります。取り扱う品目が多いと、在庫管理や発注プロセスが複雑化しやすく、管理が難しくなるでしょう。

購買プロセスが標準化されていない

MRO調達では多くの品目を少量ずつ発注するため、発注頻度が高くなります。また、全支社・全部署で必要となる商品であるため、業務に関連する社員が多くなってしまうことが特徴です。
さらに、MRO調達は各部門が独自の方法で発注を行うことが多く、全社的な購買プロセスの標準化が進んでいないケースも少なくありません。承認フローや発注方法、支払い条件などが部門によって異なると、管理が複雑になるおそれもあります。
標準化されていない購買プロセスでは、データの一元管理が難しく、購買状況の全体把握や分析が難しくなるでしょう。

サプライヤの管理が複雑になりやすい

多種多様な品目を扱うMRO調達では、必然的に取引するサプライヤの数が多くなります。各部門が個別に取引先を選定することで、同じ品目でも複数のサプライヤから調達するケースも考えられるでしょう。
取引先が増えると、サプライヤの評価・選定・価格交渉・品質管理が複雑化し、効率的な管理が難しくなります。取引条件や価格の統一が難しくなり、スケールメリットを活かせないおそれもあります。
MRO調達におけるサプライヤ管理の複雑化は、コスト増大や業務効率の低下につながるため、適切な管理体制の構築が重要です。

コンプライアンス違反が起きやすい

MRO調達では、小口の取引が多く管理が届きにくいため、コンプライアンスリスクが高まります。具体的には、従業員による私用品の購入や、特定のサプライヤとの癒着などが起こるおそれがあるということです。
適切な承認プロセスを経ずに発注が行われたり、強引な価格交渉により下請法に抵触したりするケースも考えられるでしょう。
取引の透明性が低いことで、不適切な経費処理や粉飾決算のリスクも高まります。コンプライアンス違反は、企業の信頼性を大きく損なうおそれがあります。
コンプライアンス向上のためには、購買管理システムの導入や、定期的な内部監査の実施などが有効です。

MRO調達を適正化するための3ステップ

購入数や頻度が多いMRO調達を適正化するステップは、以下の通りです。

  1. 取引商品の品目と数を明確にする
  2. 取引先や品目を集約する
  3. 購買におけるルールを標準化する

一方で、低頻度で調達するロングテール品と呼ばれるものについては、多様な商品を扱うECサイトを活用し、手間なく調達することが有効です。

MROの購買プロセスについては、以下の記事でフロー図を用いてわかりやすく解説しています。購買プロセスの見直しを検討している方は、記事を参考に自社の購買フローを可視化してみてください。

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1.取引商品の品目と数を明確にする

MRO調達の最適化に向けた第一歩は、取り扱う商品の全容を把握することです。現状を正しく把握するために、これまで取引したすべての品目と購買量と、各サプライヤとの取引量をデータ化します。
集計した購買データから、以下の情報を洗い出しましょう。

  • 複数のサプライヤで重複している品目
  • 不要な在庫
  • 高頻度で使用されている品目
  • 高コストの品目

購買データは、重点的に管理すべき品目を特定し、効果的な購買戦略を立てるうえで非常に重要です。すべての部門や拠点において、年間の購入量や購入頻度を分析しましょう。

2.取引先や品目を集約する

購買データを作成したら、必要に応じて取引先や品目を集約しましょう。
同じ品目を異なる取引先から購入している場合、一本化によりボリュームディスカウントの恩恵を受けられます。また、類似品はまとめて調達することで、発注回数や配送コストを削減でき、業務効率とコスト削減の両立も実現します。

3.購買におけるルールを標準化する

調達するサプライヤや品目を決定したら、MRO調達の最適化に向けて購買ルールを標準化しましょう。発注の承認フローや発注のタイミング、支払い条件など、購入に関するすべてのルールを明確に定義し、文書化します。標準化されたルールは、部門や職員間での購買プロセスのばらつきを防止し、新入社員の教育にも役立ちます。
さらに、定期的なルールの見直しと更新を行うことで、常に最適な調達プロセスを維持できるでしょう。市場の変化や、企業ニーズの変化への柔軟な対応にも役立ちます。

MRO調達を最適化するための購買管理システムの役割

MRO調達を最適化するためには、購買管理システムの導入が効果的です。 購買管理システムは、発注から支払いまでの購買プロセスを一元化し、購買業務全体を効率化できるシステムです。
購買管理システムには、以下の機能があります。

機能 概要
購買計画機能 製品の生産計画を数値化し、購入価格を決定
発注管理機能 仕入れ先への発注依頼や発注フロー・納期・数量を管理
検収支払管理機能 納品後の検収、支払い金額を確定
仕入先管理機能 各サプライヤからの納品日時・品目・数量を管理
取引契約機能 各サプライヤとの取引契約の内容を管理
価格管理機能 物品の価格を管理し、適正に維持
納期管理機能 発注した商品の納期を管理
品質管理機能 仕入れた物品の品質を管理

購買管理システムは、企業の規模や業種にかかわらず、購買業務の改善を目指す多くの企業で導入されています。MRO調達の複雑さや多様性に対応し、業務効率化とコスト削減を同時に実現可能です。

以下の記事では、MROを含む間接材購買における、DX化のポイントを説明しています。失敗事例も紹介しているので、購買管理システムの導入を成功させたい人は参考にしてみてください。

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購買管理の適正化については、以下の資料で準備編と実践編に分けてわかりやすく解説しています。購買管理システムの選定基準も紹介しているので、一度チェックしてみてください。

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MRO調達の最適化に購買管理システムを導入する5つのメリット

MRO調達に購買管理システムを導入するメリットは、以下の5つです。

  • ワークフローの効率化・購買プロセスの最適化
  • 購買コストの適正化
  • ヒューマンエラーの防止
  • 内部統制の強化
  • 月次決算の早期化

購買管理システムで実現できることを理解し、導入を検討してみてください。
購買管理システムの機能や導入メリットについては、以下の記事で解説しています。MROを含む間接材の購買管理に課題を抱えている方は、ご参考ください。

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ワークフローの効率化・購買プロセスの最適化

購買管理システムの導入により、発注から支払いまでの購買プロセス全体の効率化・標準化が可能です。手作業による煩雑な作業が大幅に減少し、業務効率が格段に上昇します。

承認フローを電子化することで、迅速な意思決定が可能になる点もメリットです。上長や購入担当者への承認依頼が簡素化されるため、承認プロセスにかかる時間が短縮されます。購買担当者は承認プロセスにかかわる業務から解放され、より付加価値の高いコア業務に注力できるでしょう。

以下では、購買管理システムの導入により、発注工数を大幅に削減できた事例を紹介しています。購買業務の効率化を推進したいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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購買コストの適正化

購買管理システムでは、購買データを一元管理することにより購買分析が可能となります。分析を通してコスト削減の余地を発見し、適正化に向けた適切な改善策を講じられるでしょう。

また、システムを通して発注することで購入先が集約され、ボリュームディスカウントを活用した価格の適正化を図れるでしょう。さらに、価格交渉の材料となるデータも簡単に抽出できるため、より有利な条件での調達を実現可能です。

以下では、集中購買によるボリュームディスカウントで、間接材のコスト削減を実現できた事例を紹介しています。購買コストに課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ヒューマンエラーの防止

購買管理システムは、MRO調達におけるヒューマンエラーの防止において、以下の点で大きな役割を果たします。

  • 入力漏れや入力ミスによる訂正作業
  • 承認漏れによる発注残
  • 予算超過や過剰発注 

データの自動連携やチェック機能を活用することで、入力漏れやミスによる修正作業を大幅に削減できます。発注履歴を一覧で表示できる機能によって、承認の過不足も一目で確認可能です。さらに、購買管理システムには予算超過や過剰発注を防ぐためのアラート機能もあります。ヒューマンエラーのリスクを軽減し、業務効率と精度を高めるための強力なツールといえるでしょう。

内部統制の強化

購買管理システムにより適切な承認フローが確立されることで、企業のコンプライアンス体制が強化され、リスク管理能力の向上につながります。不正行為のリスク軽減につながるため、内部統制を強化できるでしょう。
たとえば、システム内ではすべての取引記録が電子化され、監査証跡が自動的に生成されます。各取引の詳細な追跡が可能となり、内部監査や外部監査の効率化にも有効です。

以下は、購買ルールの徹底により内部統制の強化が実現した事例です。社内の内部統制を強化したいと考えている方は、ご一読ください。

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月次決算の早期化

会計システムと購買管理システムで取得できる電子データを連携させることで、月次決算の自動化が可能になります。月次決算の自動化により、決算作業にかかる時間が大幅に短縮可能です。
自動化によってデータの正確性が向上する点もメリットです。手作業での計算が不要となり、ダブルチェックの手間が省けて業務効率が格段に向上します。

以下では、購買管理システムから自動生成される請求データを活用し、月末の決算業務から解放された事例を紹介しています。購買管理に関する事務作業を負担に感じている方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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MRO調達は、適正に管理することで企業のコスト削減や生産性向上に直結します。しかし、多岐にわたる品目や複雑な購買プロセスなど、MRO調達には特有の課題があります。
MRO調達を適正化するためには、現状の購買データを抽出・分析し、購買ルールを標準化する取り組みが有効です。
また、購買管理システムでMRO調達の管理を一元化すれば、購買コストの削減や業務効率化につながります

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