製造業
三協立山株式会社 様
総合建材メーカーが工場の副資材購買に「べんりねっと」を活用。
取引先の集約や購買状況の可視化を実現し、相見積の徹底で購買支出を約1割削減
三協立山株式会社は、工場で活用する副資材の購買に「べんりねっと」を採用。信頼性と安定性が高く評価され10年以上も継続して活用する基盤に成長した。
全工場共通で「べんりねっと」での発注を行うことで、工場ごとに分散していた購買先が統一され購買状況の可視化も容易となった。さらに見積商談機能やサイト間一括検索機能の利用によって購買支出や工数削減を実現。支払い処理業務においても事務プロセスの効率化や人的ミスのない正確性などが高く評価されている。
≪POINT≫
- 副資材購買における取引先が約400社から約70社に集約され、購買状況の可視化も実現
- 見積商談機能による相見積の徹底で購買支出を約1割削減
- サイト間一括検索機能により商品選定の効率性が向上。時間と手間が半減以下に
- 独自のコード登録とデータ連携で支払い、振替処理を自動化し、効率化と人的ミスの削減を実現
- 信頼性と安定性が評価され10年以上も継続して活用
導入の背景
工場ごとに不統一だった副資材の購買
価格が異なり購買履歴の可視化も困難
三協立山株式会社は、2012年6月に、三協立山アルミ株式会社、三協マテリアル株式会社、タテヤマアドバンス株式会社の3社が統合して設立。これを存続会社とし同年12月に三協・立山ホールディングス株式会社を吸収合併。現在は社内カンパニー制を導入。 1)住宅・エクステリア建材とビル建材の開発・生産・販売を行う建材事業の「三協アルミ社」、2)アルミニウム・マグネシウムのビレット及び形材製品を提供するマテリアル事業の「三協マテリアル社」、3)店舗づくりの提案から設計・製作・施工・メンテナンスまでトータルに担う商業施設事業の「タテヤマアドバンス社」の3つと、4)ドイツやタイなどの海外拠点でアルミニウムの鋳造・押出・加工を行う国際事業を併せた4つの事業体制となっている。
同社とカウネットとの取引関係の歴史は古く、2000年頃まで遡る。当時の総務部門において、事務用品や消耗品の購買で「べんりねっと」を活用。その成功を受けて、数年後には工場でも集中購買を導入するプロジェクトが発足することとなる。同社では、製品原材料を除く工場の生産活動で必要となる工具類や機械部品、工場備品、修繕品などを“副資材”と呼んでいる。
当時、副資材は 工場ごとに個別の判断や手順で購買されており、購買先となる 取引先の選定基準や購買規定も統一されていなかったため、取引先が約400社にまで増加していた。その結果、 購買価格が工場ごとに異なり、購買結果データも集約できずその可視化も困難という課題を抱えていたという
選定の理由
信頼性と安定性のあるべんりねっとは ソーシング活動には最適なシステム
そこで2006年に、取引先の集約や購買価格の統一、購買プロセスの標準化などを目的として、“副資材の購買改革プロジェクト”がスタートした。 購買基盤の構築・保守・メンテナンスするコストや、導入までのスピード、トレーニングや問い合わせ対応などを考慮すると、総務部門ですでに運用されていた「べんりねっと」を工場の製造部門でも活用する方がROI(投資利益率)は高いと判断された。その工場版「べんりねっと」は、施設(S)・集中(S)・購買(K)の頭文字を取り「SSKシステム」と名付けられ、総務部門とは別の独立した形で運用を開始することとなった。
「べんりねっと」(SSKシステム)はその後も機能を改善しながら継続的に活用され、現在は三協アルミ社と三協マテリアル社の2つの社内カンパニーが運営する14工場と、グループ会社1工場の合計15箇所で運用されている。
2006年から長きにわたり、一貫して「べんりねっと」活用してきた背景について、生産技術部 部長 杉本 光央氏は、「一言でいえば 信頼性と安定性です。副資材の最も適切かつ効率的な取引先の選定や交渉を行うソーシング活動には最適なシステムだと考えています。10数年間活用し続ける中で、SSKシステムを効率的に運用する改善活動をしてきた結果、システムのユーザビリティ、信頼感、安定稼働を評価し、他のサービスへの乗り換え検討の余地はありませんでした」と説明する。
現在、15箇所の工場では副資材の購買において「べんりねっと」のみを活用することがルール化されている。その結果、15工場の合計でトランザクションは年間約2万4,500件になる計算だ。
導入の効果
購入先の集約や購買状況の可視化を実現
相見積の負担を軽減し、社内ルールを徹底
✓ 購買先の集約と購買状況の可視化を実現
「べんりねっと」を工場の副資材購買に活用することで、取引先は従来の400社から約70社に集約され、工場ごとに異なっていた購買価格も統一された。頻繁に購入する商品は「ローカルカタログ」、一般的な商品は「サイト連携カタログ」を利用し、購買できるマスタ件数は約5,600万点以上にもおよぶ。 さらに、システムを通して発注することでデータが記録され、購買状況の可視化も容易となり、購買動向の分析が可能となった。これらは購買業務に関わる工数、戦略立案に関わる工数の大幅な削減にも繋がった。
✓ 相見積の効率化と徹底により購買支出を削減
また、見積商談機能による競争環境の整備により、購買支出約1割の削減にも成功した。生産技術課 主事 福井 昌市氏は、「ローカルカタログとサイト連携カタログはいずれも機能が充実しています。また、購買管理業務で重要なコンプライアンス管理ではべんりねっとの『承認機能』が非常に有効であるほか、『見積商談機能』や『サイト間一括検索機能』などの利便性が高いため、こうした機能は頻繁に活用しています」と話す。
三協アルミ社では、新規購買の場合や長期間購買していない商品を再購買する場合は、必ず2社以上に相見積もりを実施するというルールを設けている。しかし、時間的な余裕がない時や繁忙期などでは、相見積もり後に仕入先と交渉するなどのプロセスが煩雑となるため、徹底が難しいケースもあったという。福井氏は、「以前は工場の発注者が相見積もりを行っているか管理することも大変でしたが、現在は複数サプライヤへの相見積り依頼や比較選定、要求部門返答など一連の業務をオンラインで実施できる見積商談機能を活用することで業務負担が大幅に削減され、ルールが徹底されるようになりました」と打ち明ける。「見積商談機能」は、ボタン一つで複数の購入先候補への見積依頼から採用・不採用通知までを行うことができる。時間や手間を削減でき、負担が減ったことでルールの徹底が実現できた。
✓ 機能活用により商品選定にかかる工数を半減
また、福井氏は「べんりねっと」で2022年にリリースされたサイト間一括検索機能についてもこう評価している。「スポットで購買する場合、従来は各仕入先のサイトにアクセスし商品を探して選んでいたため、数十分~1時間ほどかかっており、その手間を削減したいと思っていました。現在はサイト間一括検索機能により各サイトにアクセスしなくてもキーワードで商品を一括検索でき、そのまま購入できるようになったので、作業性と効率性が格段に向上しました。時間や手間が半減以下になっているので非常に助かっています」とカウネットの対応とバージョンアップされたシステムを高く評価する。
✓ データ連携により支払い処理もスムーズに
同様に、三協アルミ社のSSKシステムで支払い処理を担当する、生産技術課 若野 佳純氏は、「べんりねっと」の組織運営に合った支払い処理や費用管理が可能な点を評価する。「支出管理に必要な部門コードや費目コードなどを当社独自のコードで登録できるほか、基幹システムと仕入先からの請求データが簡単に連携できるので便利です。それにより支払処理や振替処理が自動化されるため、事務プロセスの効率化や人的ミスのない正確性などが実現しています」
更に、同氏は人的サポートの重要性も指摘する。「『べんりねっと』が他のクラウド型購買管理基盤と異なる点は、人と人のつながりが感じられることです。カウネットの営業担当者は長年サポートをしてくれるので信用できる上に、質問や要望を投げても常に迅速に対応してくれるので大変助かっています。」
これからも常に進化する「べんりねっと」で支援し続けていく。
杉本氏は、「長年活用している中ではいくつかの改善施策もありましたが、常に柔軟に対応いただいたからこそ現在の安定運用につながっていると思っています。『べんりねっと』は弊社にとってはなくてはならないシステムとして定着したといえるでしょう。今後もカウネットには最先端の技術を活用した提案を期待しています」と語る。
持続可能かつ創造的なものづくりで、人々が暮らす快適な空間と満足度の高い生活づくりに貢献する三協立山のグローバルなビジネスを、カウネットはこれからも常に進化する「べんりねっと」で支援し続けていく。
企業データ
- 従業員数
- 連結:10,289名/単体:4,822名(2024年5月31日現在)
- 所在地
- 富山県高岡市早川70番地
1.ビル用建材・住宅用建材・エクステリア建材の開発・製造・販売。アルミニウムおよびその他金属の圧延加工品の製造・販売
2.アルミニウムおよびマグネシウムの鋳造・押出・加工ならびにその販売
3.店舗用汎用陳列什器の販売、規格看板・その他看板の製造・販売、店舗および関連設備のメンテナンス
URL:https://www.st-grp.co.jp/